2013/10/28 第30回:「ビジネス・モデルとして検証する米国企業による最新知財戦略」

アメリカの損害賠償額はなぜ高額になるのか?

特許侵害訴訟における損害賠償の日米実務比較

ヘンリー幸田 2013年10月28日

 

1        日本における最大高額賠償例

*        パチスロ事件   約74億円(特許無効で判決は失効)

2        米国における高額損害賠償の事例

*        セントコアvsアボット                       約1, 800億円

*        ルーセントvsマイクロソフト  約1, 800億円

*        ポラロイドvsコダック                       約1,200億円

3        米国における賠償額算定の根拠(米国特許法第284条)

「原告に有利な判決に基づいて、裁判所は、その侵害に対して補償するのに十分な裁定をしなければならない。ただし、その賠償額は、いかなる場合においても、侵害者による発明の実施に対する適正なローヤリテリィーに、裁判所で定めた利子及び経費を加えた額を下回ってはならない

裁判所は、決定された額の3倍まで損害賠償を増額することができる」

4        米国損害賠償算定における基本的考え方

(1) 特許権侵害は、他の財産権に対する侵害と同様、不法行為である。

(2) 侵害により特許権者が不利になることを回避しなければならない。

(3) 侵害(不法行為)により侵害者が利益を得てはならない。

(4) 善意でライセンスを得た者と、権利侵害した者を同じ条件とするこ

とはフェアでない(3倍賠償の根拠)。

5        プロパテント政策下の米国における賠償額算定の具体的方式

* 適正ローヤリテリィー=仮想交渉方式(需要/供給のバランス)

* 定着利益方式(Established Royalty)

* 逸失利益方式(Lost Profit:侵害なかりせば)

a) S字曲線理論

b) プライス・エロージョン

c) ヘッド・スタート

d) エンタイア・マーケット・バリュー・ルール

e) 故意侵害に対する科罰(3倍賠償)