2012/11/27 第23回:「実務家から観た意匠制度」

実務家から観た意匠制度実務家から観た意匠制度2012年11月27日 水野みな子

  • 話者の立ち位置

1973-2000: 特許庁審査・審判に従事

2000-2012 (現在):特許事務所で意匠出願代理:担当JPO出願2,643件

内外国からの照会に対応

APAA意匠委員会共同議長

 

  • 意匠登録をめぐる国際、国内状況

-1.WIPO及びJPO統計に見る近年の意匠出願・登録状況

中国の外観設計出願。韓国のデザイン出願が増え、日本国内出願減少

-2.国内実務では、法7条、3条1項柱書のOAが多く、海外出願では、方式審査を通過すれば登録になるので、登録後の権利範囲の特定が不透明

-3.海外からの質問では、OHIMの”GUI”(国際分類:14-04)を日本で登録するにはどうするか?などがある。

-4.国内判決において、意匠の類似判断の考え方が明確になってきた。

-5.海外においても、先行意匠との関係が重要になってきていると受け止めている。

 

3. 国際意匠分類と国際意匠登録

-1.平成23年度特許庁産業財産権制度問題調査研究報告書では、

「我が国はロカルノ協定に加盟し、我が国企業の意匠の権利調査における利便性向上等のため、具体的な改正提案等を行って行くべきではないか。」とあり、これに賛成である。

-2.ヘーグ協定については、米国及び韓国の加盟を待ってからでも遅くはないと考える。

-3.画像デザインについては、方式審査のみで登録する方向を模索できないかと考える。

 

4. 前進

1888(明治21)年意匠条例導入時代は、今日のような情報機器がなく、また市民が海外を知ることもできにくかった時代であった。第2次世界大戦後の意匠法は、プラスチック工業の発展及び大量生産の時代の進化に伴い、製品の外観(物品の形状、模様、色彩又はこれらの結合)を創作し、製造・取引する者の立場からその権利主張の調整をしてきた。製品が必ずしも金型を使用して製造され、手作業を用いて立体形状に形成されるのではない時代に合った意匠法をどう運用し、構築していくかを考え、議論する時代になったと感じている。

―以上―