第1回知財立国研究会シンポジウムにおける議論の概要

2013年11月28日
作成:事務局
各界を代表するパネリストの議論による見解は以下に集約される。

[訴訟における損害額の認定]
・ 侵害訴訟における損害額を適正額にまで増大させることが大切である(~数十倍)。この点に関して、裁判所は運用変更で対応することができるであろう。しかし、裁判所が自ら率先して運用変更するまでの動機は小さいかもしれない。裁判所を動かすためには、特許価値の評価を適正に高めるべきとの世論形成が必要であり、経団連や知財協からの要請も重要である。
・ 上記により、侵害され損、侵害し得の日本の現状を改めると共に、日本における特許の価値を向上させ、日本の魅力を向上させることを目指す。

[知財価値の可視化と金融業界の参入促進]
・ 各社が保有する特許の価値(取引上の価値)を可視化することが必要である。米国では、取引価値が向上したことで金融関係者や経済学者が知財業界に参入した。また、米国では、会社の価値は、特許の価値(またはその他の無形資産の価値)で見積もられるようになってきた。
・ 知財に基づいて銀行の融資を受けられる仕組みの導入を促進することが重要である。
・ この点に関して、自己の特許を評価させるコンテストを開催してはどうか。
・ 様々な評価手法を用いて特許の価値を算出してみてはどうか。
・ 個人投資家による直接投資の仕組みを活発化させることも重要である。
・ 価値評価の際には、ポートフォリオとしての価値の評価を忘れてはいけない。

[世界一の信頼性と迅速性を備えた審査の推進]
・ 日本の優秀な特許審査官や弁理士による高信頼性の審査過程を世界で活用する途を切り拓くべきである。そのためには、審査結果を早期に得ることが求められる。

[出願国]
・ 今後、海外での権利取得の重要性は高まる。各国で同じクレームでの権利化を可能とするため、英語出願を基本としたクレーム作成を考慮すべきである。

[人事交流の活発化]
・ 米国では人材交流が鍵となった。終身雇用制が崩れた今、産官学の人事交流に期待する。

[継続的な絶え間ない発信]
・ 世論形成のために、継続的で絶え間ない発信を続けるべきである。